ホソバトリカブト (細葉鳥兜)
学名 : Aconitum senanense
科属 : キンポウゲ科トリカブト属
別名 :   

本州の中部地方以北の亜高山帯から高山帯に分布する多年草。全草が猛毒で知られるトリカブトの仲間。葉は基部まで深く3裂し、裂片はさら裂けて細長くなる。花は青紫色の5個の萼片が烏帽子状の空洞をつくり、花弁はその内側に2個あるが外からは見えない。雌しべは普通3個、雄しべ多数。花期は8〜9月。
ホソバトリカブト(細葉鳥兜)

妖しげな色彩を放つ美しいトリカブトの花。しかし全草、特に塊根に猛毒があって日本三大毒草(トリカブト、ドクウツギ、ドクゼリ)のひとつといわれます。若葉のころ、葉の形が似ているニリンソウ等と間違えて誤食することがあるそうです。

花の拡大写真


2010.8.21
入笠山(長野県)
ホソバトリカブトの花

花弁のように見える青紫色の個所は5個の萼片から出来ています。一番上にある鳥兜状の部分が頂萼片、中ほどの左右につく側萼片が2個、下部の左右につく下萼片が2個です。花の正面下側から観察すると雌しべ(普通3個)と、多数の雄しが見えます。しかし本来目立つはずの花弁は、頂萼片の内側に隠して見せないという変わった花です。


2010.8.21
入笠山(長野県)


トリカブトの仲間は、日本に30種ほど自生しているそうです。


2010.8.21
入笠山(長野県)
トリカブトの蕊の拡大

しべの拡大です。中央でまっすぐ伸びているのが3個の雌しべ、その周りは多数の雄しべです。


2010.8.21
入笠山(長野県)


湿地の草原に生えるホソバトリカブト。草丈は50〜100cmになるそうです。


2010.8.21
入笠山(長野県)

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